VRE分離状況
2009年頃から北九州地域でVRE分離施設が急増し、施設ラウンド依頼件数も増えてきました。分離施設のVRE株を調査したところ、菌種はすべがvanB遺伝子保有のEnterococcus faeciumで、そのなかにVCMのMIC値が4μmg/dl以下の株が少なからず存在することが判りました。そのためKRICTでは、地域医療機関でVRE情報を共有し、感染対策の強化を行ってきました。
VRE施設ラウンド
KRICTはこれまで数多くのVRE分離施設をラウンドしてきました。院内でのVREの広がりは早く、隔離対策実施後もVRE保菌者数は一定時期増加します。またオムツ交換を介したVRE伝搬が多いことも判りました。VREの特徴を考えた対策が必要です。KRICTによる施設ラウンドの有用性は以下のようです。
(1)感染制御のknow-how、施設の事情に合わせた感染対策の助言が可能
(2)施設に合わせた、オムツ交換手順の標準化
(3)専門家によるラウンドとその後KRICTが出すラウンド報告書により、院内スタッフへの啓発強化 に繋がります。
VCMのMIC値が低いVRE の検出方法
VCMのMICが低いことからスクリーニング検査をすり抜ける菌株もでてきます。確実にスクリーニング検査でVRE同定するために、KRICTでは迅速な保菌者スクリーニングの方法と隔離対策の手順をまとめました。
【手順書】
「北九州地域で増加しているバンコマイシンのMIC値が低いvanB遺伝子保有Enterococcus faeciumについて」
・ダウンロードして自由にご利用下さい。KRICTからの提言(VRE)